隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「選ぶのはお前じゃなくて彼女だ。ようは彼女に選ばれればいいんだろう?」
真剣な目を向けてくる光に驚きを隠せず、目を逸らした。
「グズグズしてると直ぐに取られるんだって事、、、教えてやるよ。俺は3年も待ってやったんだから感謝して欲しいくらいだ。お前は自分が今まで気持ちを伝えず逃げてきた事を後悔することになるよ。」
そう不敵に笑って席を立った。
そんな光の後ろ姿に掛ける言葉が見つからず、黙って見送るしか出来ない。
そして早々に後悔が押し寄せる。
ちゃんと気持ちを伝えておけば、、彼女を失わずに済んだかもしれないと。
携帯を取り出し直ぐさま晶帆に掛ける。
電源は入っているようだが繋がらず、無機質な電話の呼び出し音が耳に響くだけだ。