隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
笑顔を貼り付けて、受付に立ち続けるのも限界を感じ始めていた。
この会社に入って恋人が出来たが、不感症の私との恋愛は誰とも長続きせずに恋愛を諦めていた。
それなのに声を掛けられる事が増えてきて、初めて会った人から告白されるようになって不信感をいだくようになった。
そんなに簡単に人を好きになる事なんてできるのだろうかと。
一目惚れとかよく聞くけど、イマイチその感情が分からない。
誰とも付き合う気がない私にとっては、異性からの告白は同性からの陰口と大差なくて、、少し人間不信になっていた。
「西村さんっ、、!」
受付のテーブルを片付けていると、汗を薄っすらかいた見知らぬ男性が受付に前のめりでやって来た。
社員証を付けている所を見るとウチの社員らしいその人に少し引きつった笑顔で声を掛けた。
「お疲れ様です。、、どうか、、されましたか?」
「あのっ、、!!俺、西村さんの事ずっといいなって思ってて!良かったら付き合ってもらえませんか?!」
人が疎らといえども、今はまだ業務時間。
男性の声の大きさにロビーにいた人達の視線が一気に集まる。
その刺さるような視線が怖くて俯く。