隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
光さんも黙り込んでしまって、俯いているため表情も分からない。
暫く沈黙が続いて、その空気が耐えられなくなりおずおずと顔を上げると手で顔を覆っている光さんの姿があった。
手の隙間から見えた光さんはほんのり頬が赤くて初めて見る光さんの姿に驚いてしまう。
「っ、、、!あんまり見ないで。OKされてこんなに舞い上がるなんて思わなかったよ。」
目が合うと恥ずかしそうにはにかんでくれた。
そして手を引かれ、光さんの腕の中に引き込まれた。
「ありがとう。めちゃくちゃ嬉しいっ!!!絶対に幸せにするから、、、。」
強く抱きしめられて耳元で囁かれた。
暖かい温もりに包まれて、そっと彼の背中に手を回して抱きしめ返した。
「、、とってもあったかいです。こちらこそ、私を選んで下さってありがとうございます。」
私の積極的な姿に驚いたのか、光さんの肩が一瞬上がったのが分かった。
身体を離されて目が合った彼と、唇の距離がゆっくりと縮まっていく。
キスされる。
それが分かって自らも目を閉じた。
それなのに目を閉じた瞼に映ったのは最後に見た愛しい彼で、思わず体に力が入る。