隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
いつまで経っても唇が触れることがなくて、目を開けると切ない表情で顔を背けている姿が目に入った。
「あっ、、あの、、、。」
「、、ごめん、無理強いしないって言ったのに。晶帆の気持ちが完全にこっちを見てくれるまでいつまでも待つから。」
彼の事が忘れられない気持ちが態度に出てしまっている。
こんなんじゃ駄目なのに、、、、。
光さんにこんな顔させたくないのに、、。
どうしても身体が彼以外だと、拒絶する。
「すっ、、っ、、すみませっ、、。」
言い終わる前に光さんに口を手で覆われた。
「謝らないでって言ってるのに。本当に晶帆って謝ってばっかりだね。その癖、治らないならなにかペナルティーでもつけようかな〜。例えば、、今度の新作発表でランウェイでも歩かせようかな〜。」
「っ、、?!それだけはっ、、!!」
光さんの手を口から外して叫ぶと、楽しそうに笑ってくれた。
「その焦り様っ、、!!普通に晶帆がモデルに紛れてても分からないと思うけどね?じゃあ、約束ね?謝ったらペナルティーだから!、、よしっ!じゃあ鍋の食材でも買って帰りますかっ!!」
ハンドルを握って笑い掛けてくれる光さんに心の中でそっと謝りながら言葉を掛けた。
「はい、、頑張ります。」