隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


すると手から日報が無くなった。

隣を見ると真美ちゃんが、さっきまで自分が手にしていた日報を手にしている。




「あとはこの業務日報だけですよね?これは私がしておきますから、先輩はお帰り下さい。」

「まっ待って!!それは私がっ、、!」

「、、先輩。お・か・え・り・く・だ・さ・い!!!お疲れ様でした。」

「っ、、、。」




ここは素直に真美ちゃんに日報をお願いして逃げた方が賢明だと瞬時に判断して急いで荷物を片付ける。


「お言葉に甘えて真美ちゃんにお願いします。じゃあお先に失礼します、お疲れ様でした。」




受付から駆け出すと入り口に知った車が停まっている事に気付いて足が止まってしまった。

よりによってこのタイミングで?




これは私への罰なのかな。

沢山の人を騙して、利用した私への。










そんなロビーに立ち尽くしている私に気づき、車から降りてきた光さん。

にこやかに手を振りながらロビーを通りながらこちらに向かってくる。




「今日もお疲れ様、晶帆。顔色が随分と優れないけど大丈夫?今日も胃に優しいお鍋にする?昨日は晶帆が作ってくれたから今日は俺が作るよ。何鍋が食べたい?」


大きめの音量で優しく微笑みながら声を掛けてきた光さんに駆け寄る。


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