隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


私の言葉に作業を辞め、こちらを見た。


「確かに顔色は相当悪いですね。でも駄目です。先輩が津川さんから逃げようとしてるバレバレですから。私は津川さんの味方ですから。絶対に先輩を帰しません。先輩こそ、いい加減に自分の気持ちと向き合ってみたらどうですか、、?いつまでそうしてるんですか?先輩の事、凄く憧れてて、尊敬してて、私の目標だったんです。っ、、これ以上、幻滅させないで下さい!!!!!」

「真美ちゃん、、、。」

「兎に角、絶対に帰しませんから。今日は忙しい週末ですよ!?口なんか動かさないで、さっさと手を動かして下さい。」



そっぽを向かれ、テキパキと手を動かす真美ちゃんを見て恥ずかしくなった。






あれだけ圭くんに業務中だと言っておきながら、自分が業務を疎かにするなんて。

気を引き締めて、残りの業務を必死にこなした。




気づけば、ロビーには退社する社員がちらほらエレベーターから降りてきていた。

あとは手にしているこの業務日報を書くだけになった所で、ドス黒いオーラを纏った彼が視界に入った。



急に胸が苦しくなって、冷や汗が背中に流れる。


業務日報に向かう手に力が入ってしまって、日報に皺を寄せてしまう。


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