隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「左様でございましたか。それは大変失礼いたしました。担当の坂口に連絡致しますので、少々お待ち下さいませ。」
素早くカウンターにある受話器を取り、営業に連絡を入れる。
「亀山物産の橋爪様が受付にお見えです。」
そう言って受話器を置く。
「直ぐにこちらに参りますので、後ろのソファーでお掛けになってもう暫くお待ち下さい。」
そう言って橋爪様を上質な革張りのソファーに誘導して腰を下ろして貰う。
暫くすると営業の坂口さんが急いでエレベーターから降りてこちらに近づいてきた。
「橋爪さん、お待たせ致しました。お話はこちらでしましょう。」
2人は固く握手を交わして、エレベーターへと談笑しながら歩いていく。
そんな2人に小さく頭を下げる。