隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
するとエレベーター前で橋爪様は振り返った。
「、、今日は暑い中、来てよかったです。貴方みたいな素敵な女性にお会いでしましたので。またお会いしましょう、、西村さん?」
あの短い間に、胸元のネームプレートを見たのだろうか。
その観察力に驚いている間に、エレベーターはそんな橋爪様を乗せ上の階へと登っていった。
「また先輩に恋しちゃった人、増えちゃいましたね?本当、罪深いカップルなんですから〜〜っ!一層の事、早く結婚してくれたら諦められるのになぁ〜。プロポーズとかされてないんですかぁ〜〜?」
隣の真美ちゃんにジロリと睨まれ、訳のわからないことを言われて戸惑ってしまう。
「何言ってるの?真美ちゃんってば変な事ばっかり言うんだから。普通にネームプレート見て名前呼ばれただけでしょう?お世辞を一々間に受けてたらやっていけないよ。さ!仕事仕事〜〜。誰もお客様がいない間に玄関のマット掃除しておこっとっ。」
真美ちゃんから逃げるようにカウンターの下にあるホウキと塵取りをもって玄関へ向かった。