突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
「良いではないか! 感動したぞ、創。さすがは立花の男じゃ。日菜子のことは、そなたに任せる」
祖父が、「あっぱれ」と声高々に手を叩いて喜び出す。
「ま、待って、おじいちゃん!! 私の話も……!」
ついに耐え切れなくなって、身を乗り出した。しかし、すっかり感動している祖父には、私の話などまるで聞こえていないようだ。それどころか、
「日菜子。立花の嫁に相応(ふさわ)しくなれるよう、ご教授してもらうのじゃぞ」
なんて言い出す始末。
「私、同居なんて……!」
「なにを言っておる。少し早くなるだけで、近いうちにそうなるであろう」
痛いところを突かれて狼狽(うろた)える。今までの経験上、祖父が決めたことが覆ることはほとんどなかった。
「真紘……」
こんな騒ぎのことなどつゆ知らず、祝宴の用意を運んできた真紘の顔が目に入り、ため息のような声が漏れる。不思議そうにこちらを見つめる彼を、情けなく眉尻を下げながら見上げた。
今朝まで姉の婚約を見守る妹の立場だったのに、どうしてこんなことに。
やり場のない不満が身体中を駆け巡る。今どこにいるのかわからない姉のことを、生まれて初めて少し恨んだ。
祖父が、「あっぱれ」と声高々に手を叩いて喜び出す。
「ま、待って、おじいちゃん!! 私の話も……!」
ついに耐え切れなくなって、身を乗り出した。しかし、すっかり感動している祖父には、私の話などまるで聞こえていないようだ。それどころか、
「日菜子。立花の嫁に相応(ふさわ)しくなれるよう、ご教授してもらうのじゃぞ」
なんて言い出す始末。
「私、同居なんて……!」
「なにを言っておる。少し早くなるだけで、近いうちにそうなるであろう」
痛いところを突かれて狼狽(うろた)える。今までの経験上、祖父が決めたことが覆ることはほとんどなかった。
「真紘……」
こんな騒ぎのことなどつゆ知らず、祝宴の用意を運んできた真紘の顔が目に入り、ため息のような声が漏れる。不思議そうにこちらを見つめる彼を、情けなく眉尻を下げながら見上げた。
今朝まで姉の婚約を見守る妹の立場だったのに、どうしてこんなことに。
やり場のない不満が身体中を駆け巡る。今どこにいるのかわからない姉のことを、生まれて初めて少し恨んだ。