突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
創さんの余計な提案により、祝宴はより一層の盛り上がりを見せた。私は立花のおじい様や彼のご両親にお酌をしつつ会話を楽しみながら、隙を見て彼を部屋から連れ出した。
ある程度離れたところで、誰もいないのを確認してから目尻をつり上げる。
「いったい、どういうつもりなんですか!?」
「なにが?」
彼は腕を組み、涼しい表情で答えた。
「とぼけないでください。あんなことを言っておきながら、同居の話なんて」
なにか企んでいるとしか思えない。
切れ長の大きな目が、警戒心の炎を燃やす私をしばらく眺める。思わず喉を詰まらせていると、彼は突然噴き出すように笑い始めた。
なんなのよ!
きっと、また馬鹿にしてるんだ。そう思い、悔しさに歯を食いしばった。すると、それに気が付いた彼は、こぶしを口もとに当てて軽く咳払いをする。
「子犬みたいにキャンキャンうるさいお前を、手懐(てなず)けるのも悪くないなと思って」
「こ、子犬?」
予想外の言葉に、当惑の声を上げた。
たしかに、背の高いお姉ちゃんに比べて私は身長一五二センチしかないけど、まさか婚約者を子犬扱いして、おまけに手懐ける? 何様なの!?