突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
いくら私が図太く、出てきた彼にまた「先に寝てろって言っただろ」と悪態をつかれたとしても、さすがに初めて訪れた家で勝手に爆睡などできるわけがない。仮にも婚約者で、今日からここに住むことになっていたとしてもだ。
というわけで彼が入浴してから十分ほど待ってはみたものの、落ち着かない。部屋の中を泳ぐマグロのように回っていたが、自分でもひどく滑稽(こっけい)に思えてきた。
なんで私がこんなにやきもきしなきゃいけないんだろう。だって、こんな経験したことないから……。今までに家族や清仁たち以外の男性と同じ空間で寝泊まりしたことなんて一度もないし、結婚するまでそうだと思っていた。そんな自分が、まさか婚前同居をする羽目になるとは。
改めて思い返すと、長いため息が漏れた。
ふと、寝室のドアに視線を流す。
迷いを覚えたがどうにもじっとしていられなくて、引き寄せられるようにそのドアノブに手を掛けた。息を呑み、薄らと開けた隙間から中を覗こうとすると、
「なにやってんだ」
突然背後から掛けられた声に驚いて飛び上がった。
「脅かさないで!」
慌てて振り返る。しかし、視界にとらえた彼の姿を見て、今度は全身を硬直させられた。
というわけで彼が入浴してから十分ほど待ってはみたものの、落ち着かない。部屋の中を泳ぐマグロのように回っていたが、自分でもひどく滑稽(こっけい)に思えてきた。
なんで私がこんなにやきもきしなきゃいけないんだろう。だって、こんな経験したことないから……。今までに家族や清仁たち以外の男性と同じ空間で寝泊まりしたことなんて一度もないし、結婚するまでそうだと思っていた。そんな自分が、まさか婚前同居をする羽目になるとは。
改めて思い返すと、長いため息が漏れた。
ふと、寝室のドアに視線を流す。
迷いを覚えたがどうにもじっとしていられなくて、引き寄せられるようにそのドアノブに手を掛けた。息を呑み、薄らと開けた隙間から中を覗こうとすると、
「なにやってんだ」
突然背後から掛けられた声に驚いて飛び上がった。
「脅かさないで!」
慌てて振り返る。しかし、視界にとらえた彼の姿を見て、今度は全身を硬直させられた。