突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
「ちょ、ちょっと、おじいちゃん。……冗談だよね?」
少し遅れてから、鼓動も慌ただしく騒ぎ出した。
そんな簡単に代わりって、近所におつかいに行くのとはわけが違う。結納の儀だ。家と家を結ぶ大切な儀式で、その相手と婚約するってことなのに。
「冗談ではない。待っておれ。真紘、立花に連絡を」
いつもの気持ちの良い返事が返ってこないのを不思議に思ったのか、こちらを見つめていた祖父が上半身を捻って振り返る。
「どうした、真紘」
「あ、はい……」
同じく口を開けて瞠目していた真紘が、ハッとした様子で慌てて電話のもとへと駆け出した。数分もかからず戻ってきた彼から電話を受け取った祖父は、それを耳に当てて話し出す。
『おぉ、立花』と機嫌良く会話しているのが聞こえてきたけれど、彼は縁側へと出ていってしまった。その背中を、間抜けに口を開けたまま目で追う。
話している内容までは聞こえないが、いくら仲が良いからといって、「婚約者だった孫娘がいなくなったから、代わりに……」なんて言われたら、怒るに決まっている。さすがにこの問題に関しては、いくらおじいちゃんが勝手なことを言っていても、ひとりでは決められないんだから!
母も緊張の面持ちで手を合わせていた。電話を終えて戻ってきた祖父のそのひどく神妙なその表情に、思わず唇を噛み締める。
少し遅れてから、鼓動も慌ただしく騒ぎ出した。
そんな簡単に代わりって、近所におつかいに行くのとはわけが違う。結納の儀だ。家と家を結ぶ大切な儀式で、その相手と婚約するってことなのに。
「冗談ではない。待っておれ。真紘、立花に連絡を」
いつもの気持ちの良い返事が返ってこないのを不思議に思ったのか、こちらを見つめていた祖父が上半身を捻って振り返る。
「どうした、真紘」
「あ、はい……」
同じく口を開けて瞠目していた真紘が、ハッとした様子で慌てて電話のもとへと駆け出した。数分もかからず戻ってきた彼から電話を受け取った祖父は、それを耳に当てて話し出す。
『おぉ、立花』と機嫌良く会話しているのが聞こえてきたけれど、彼は縁側へと出ていってしまった。その背中を、間抜けに口を開けたまま目で追う。
話している内容までは聞こえないが、いくら仲が良いからといって、「婚約者だった孫娘がいなくなったから、代わりに……」なんて言われたら、怒るに決まっている。さすがにこの問題に関しては、いくらおじいちゃんが勝手なことを言っていても、ひとりでは決められないんだから!
母も緊張の面持ちで手を合わせていた。電話を終えて戻ってきた祖父のそのひどく神妙なその表情に、思わず唇を噛み締める。