突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
「どうぞ」
会社の玄関前に車を停めた彼が、いち早く車から降りてまたしても後部座席のドアを開けてくれる。恐れ多くも、礼を言いながら私も車から降りた。
「城田さん、本当にありがとうございました。あの、これ、よかったら」
送ってもらったお礼に、バッグの中から取り出したエナジードリンクの缶を差し出す。創から迎えが来てくれると聞いて、慌てて持ってきた自分の荷物を物色したが、渡せるようなものはこれくらいだった。大したお礼にはならないかもしれないけれど、何本かまとめ買いしたものを持ってきておいてよかった。
「すみません。ありがたくいただきます」
それでも彼は、嫌がる様子もなく頭を下げてくれる。
「日菜子さん?」
バッグの中を険しい顔で眺めていた私は、小さく肩を跳ねさせた。彼には私が今葛藤している理由がわかっているのだろうか。なにも言わずにこちらに視線を注ぐ彼に、観念したように長い息を吐いた。
「これ……すみませんが、彼にも渡してもらえますか?」
決まりが悪い表情で差し出したのは、もう一本のエナジードリンクだった。
自分で飲むつもりで持ってきたのだが、車の中で城田さんから今日とても大事な仕事があると聞いて、創にもあげよう。でも、またからかわれるだけかもしれないし……と悩んでいたのを、城田さんはわかっていたのかもしれない。
会社の玄関前に車を停めた彼が、いち早く車から降りてまたしても後部座席のドアを開けてくれる。恐れ多くも、礼を言いながら私も車から降りた。
「城田さん、本当にありがとうございました。あの、これ、よかったら」
送ってもらったお礼に、バッグの中から取り出したエナジードリンクの缶を差し出す。創から迎えが来てくれると聞いて、慌てて持ってきた自分の荷物を物色したが、渡せるようなものはこれくらいだった。大したお礼にはならないかもしれないけれど、何本かまとめ買いしたものを持ってきておいてよかった。
「すみません。ありがたくいただきます」
それでも彼は、嫌がる様子もなく頭を下げてくれる。
「日菜子さん?」
バッグの中を険しい顔で眺めていた私は、小さく肩を跳ねさせた。彼には私が今葛藤している理由がわかっているのだろうか。なにも言わずにこちらに視線を注ぐ彼に、観念したように長い息を吐いた。
「これ……すみませんが、彼にも渡してもらえますか?」
決まりが悪い表情で差し出したのは、もう一本のエナジードリンクだった。
自分で飲むつもりで持ってきたのだが、車の中で城田さんから今日とても大事な仕事があると聞いて、創にもあげよう。でも、またからかわれるだけかもしれないし……と悩んでいたのを、城田さんはわかっていたのかもしれない。