突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
「こんなところで、なにしてるの?」

「なにって、こんなところをブラブラしてるわけないだろ。お前を迎えに来たんだよ。帰りもわからないだろうが」

 予想外の出来事に、目を何度も瞬かせる。

「迎えに? ……創がわざわざ? どうしちゃったのよ」

 朝もそうだったけど、親切すぎてなんか不気味だ。そう思っているのが伝わってしまったのか、彼は額に青筋を張った。

「じゃあ、置いて帰る」

「ま、待って! ありがとう、迎えに来てくれて」

 つい出てしまった本音を、慌ててごまかす。納得がいかないようにしかめっ面だった彼は、大きく息をつくと、まっすぐにこちらを見据えた。その瞳にはいつものように私を嘲る色は含まれていなかった。無表情だがなぜか穏やかに見えて、思わず鼓動が大きく跳ねる。

「……どっか寄って帰るか?」

「えっ?」

「嫌ならいいが」

 驚きの声を上げた私を見た彼が、そっぽを向いてつぶやいた。戸惑いながらも、呼吸を整えて口を開く。
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