突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
「だらだらといつまで話してるんだ。俺は暇じゃない。行くぞ」

「暇じゃないって、どこか寄って帰るか? って言ったのは創でしょ?」

 事態が呑み込めず、混乱した。先ほどまであんなに穏やかさを感じられたのに、今彼を纏う空気はまるで別物だ。

 なんで急に、こんなに怒ってるの?

 突き出されたスマートフォンの画面を確認する。通話は切られていた。

「おい、早く来い」

 先に歩き出した彼が、振り返る。怒りよりも、なにが彼をこんなに刺激したのか気になっていた。

「……わかった! 行くから、いちいち命令しないで」

 あんな顔、初めて会ったときですら向けられたことないのに。少し優しいのかもしれないなんて思い始めた矢先、また彼のことがわからなくなった。あとで、真紘にも言い訳しないといけない。創があんな風だと勘付かれてなかったらいいけど……。

 創に出会ってから悩みの種が尽きなかった。
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