突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします

「皆と相談して、一か月後に行う予定だった婚約パーティーを二週間後に前倒しすることになった。そこで、タチバナとハルオの業務提携も発表するらしい。こうなった以上、早い方がいいからな。幸い招待状もまだ出していなかったし、助かった」

 おじい様のところへ行ってくると部屋を出て行ってから約三十分後。戻ってくるなり創は、そんなことを言った。あまりの急展開に困惑する。

「婚約パーティー……」

 近いうちにあるとは思っていたが、私の知らないところでこんなにも話が進んでいたなんて。

「言ったら逃げ出すかもしれないから、黙ってたんだ」

 心を読んだ彼が、笑みを噛み殺しながら言った。不服そうに顔を歪めるが、彼は気にも留めていないよう。

「お前、どうするんだ?」

「どうするって、どういう意味?」

 小首をかしげた。彼の顔つきが真剣になる。

「発表したら、もう後戻りはできなくなるぞ」

 胸がどきりと大きな音を立てた。

 そうだ……。彼との約束も、あと二週間が期限ということになる。

 不安が胸を襲い、思わず目を伏せる。
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