突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
「……創?」

「なんだ?」

「だって……」

 狼狽えて、うまく言葉にできない。彼にそんなつもりはないのかもしれない。いつものように、ただからかっているのかもしれない。でも、今のは……まるでプロポーズみたいに聞こえた。

「戦いに犬は役立つだろ? 桃太郎も、鬼退治には犬を連れて行ったくらいだ」

 その言葉に、熱を持っていた頬が一気に冷める。やっぱり私の勘違いで、なんにも思っていなかったようだ。なんてややこしい言い方するのよ!

 目を細め、じっとりとした視線を送った。

「……ねぇ、創。なんで怒ってたの?」

「……怒ってないっていったろ」

 問い詰められた彼は、やはり子供のように顔を顰める。小さく息をついた私は、緩やかに口角を上げた。
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