突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
 ……創? ……なんでここで寝てるの?

 彼は大きな身体を窮屈そうに縮めながら、ソファーで眠っていた。私の中で、ある疑問が頭を過る。

 そういえば私、創がベッドで朝を迎えてる姿、一度も見たことない……。

 胸がドキドキと張り詰めてくるのを感じた。

 そうだ。思い返せば、夜はいつも一緒にベッドに入るけれど、彼は必ず私より先に起きていた。夜中に一度起きたこともあったが、そのときはお手洗いかなにかだろうと思って気にも留めていなかったけど、もしかすると彼はずっとこうしてここで眠っていたのかもしれない。

 でも、なんのために……?

 木々が風に揺さぶられているようなざわめきを感じる。

 私のため?

 そう思うと、頬が急激に熱を持つのがわかった。唇を噛み締め、ぐっと眉を顰める。

 すると、「んんっ」と小さな唸り声を上げた彼が、おもむろに目を開いた。身を捩り、ソファーの背もたれから見下ろす私の姿を認めたその目は、さらに大きく見開かれる。
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