俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい
──四年前、調理師をしながら起業に向けて下準備をしていた頃、入社して間もない麗と出会った。
当時、彼女も会社のブラックさにやられていたことは、ひと目見ただけでわかった。けれど、それからたびたび見かけるごとに逞しさを増していき、俺が辞めるときにはだいぶ成長していたように思う。
あのとき、俺は麗に『五年目まで働いたらいいことがあるかもしれない』と言った。
もしも俺が事業を成功させ、そのときに彼女の姿をまた見ることができたら、あの環境から救い出してあげたいと、ささやかな目標を抱きながら。
しかし、離職率の高い会社だし、正直そこまで頑張れはしないだろうと高を括っていた。
時々あの子はどうしているだろうかと、不思議と彼女の姿が脳裏に過ぎり、存在を忘れることはなかったが、それほど強く想っていたわけではない。
苗字も“アリサキ”だったか“アリサカ”だったか記憶が定かではなく、とりあえず“アリサ”は間違いないということからあだ名にしてしまっていたくらいだし。
だから、新社長として就任したあと、麗を見つけたときは驚いたのだ。それと同じくらい、本当に残っていてくれて嬉しくもあった。
当時、彼女も会社のブラックさにやられていたことは、ひと目見ただけでわかった。けれど、それからたびたび見かけるごとに逞しさを増していき、俺が辞めるときにはだいぶ成長していたように思う。
あのとき、俺は麗に『五年目まで働いたらいいことがあるかもしれない』と言った。
もしも俺が事業を成功させ、そのときに彼女の姿をまた見ることができたら、あの環境から救い出してあげたいと、ささやかな目標を抱きながら。
しかし、離職率の高い会社だし、正直そこまで頑張れはしないだろうと高を括っていた。
時々あの子はどうしているだろうかと、不思議と彼女の姿が脳裏に過ぎり、存在を忘れることはなかったが、それほど強く想っていたわけではない。
苗字も“アリサキ”だったか“アリサカ”だったか記憶が定かではなく、とりあえず“アリサ”は間違いないということからあだ名にしてしまっていたくらいだし。
だから、新社長として就任したあと、麗を見つけたときは驚いたのだ。それと同じくらい、本当に残っていてくれて嬉しくもあった。