俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい
確認のために名前を聞き、あのときの彼女だと確信すると、この子を逃してはいけないという気持ちが膨れ、強引に引き抜くことにした。
それからの彼女は見込んだ以上の働きをしてくれて、仕事でもプライベートでも信頼できる関係になり、なんとなく気になっていた女の子はかけがえのない存在となった。
きっと麗は、四年前のしがない調理師のことなど覚えていないだろう。だが、そんなことはもうどうでもいい。彼女を手離した、今となっては。
出会ってから今までのことを目を伏せて思い返していると、桐原の心配と困惑が混ざった声が聞こえてくる。
「彼女はあなたが心を委ねられる相手だと確信していましたが、本当にどうして……」
俺はひとつ息を吸い込み、重い口を開く。
「リオンを復活させた店主の紅川は、麗の父親だ。離婚してて、長いこと会ってないみたいだけどな」
腕組みして立っている彼が目を見開いた。
麗以外に家庭の事情を打ち明けたのは桐原だけで、リオンの一連の事情も話してある。常に冷静沈着な彼も、この事実には驚きを隠せないようだ。
それからの彼女は見込んだ以上の働きをしてくれて、仕事でもプライベートでも信頼できる関係になり、なんとなく気になっていた女の子はかけがえのない存在となった。
きっと麗は、四年前のしがない調理師のことなど覚えていないだろう。だが、そんなことはもうどうでもいい。彼女を手離した、今となっては。
出会ってから今までのことを目を伏せて思い返していると、桐原の心配と困惑が混ざった声が聞こえてくる。
「彼女はあなたが心を委ねられる相手だと確信していましたが、本当にどうして……」
俺はひとつ息を吸い込み、重い口を開く。
「リオンを復活させた店主の紅川は、麗の父親だ。離婚してて、長いこと会ってないみたいだけどな」
腕組みして立っている彼が目を見開いた。
麗以外に家庭の事情を打ち明けたのは桐原だけで、リオンの一連の事情も話してある。常に冷静沈着な彼も、この事実には驚きを隠せないようだ。