憧れの彼と、イイ仲になりたいんです!
中学時代のことが常に頭にあった。
あの手紙に書かれていた言葉が離れず、ずっと自己否定をしてきた。


だから、人気者の彼に憧れても話しかけたりしなかった。私みたいな女子が積極的になっても、高望みし過ぎだと言って笑われてしまうと思ってたから。


(だから、今日が最初で最後のチャンス。もう二度と二人で食事なんて出来ないと思うから、今日だけ…)


せめて少しの間だけでもいいから幸せでいたい。
どうか誰も見ていないで……。


願いながらオムライス屋に着いた。

彼は私がずっと後ろを歩いてても特に何も言わず、店の前で振り返り、「どうぞ」とドアを引いてくれる。

こっちはスマートな誘導に驚きつつもお辞儀して中へ入り、店員の「いらっしゃいませ」という挨拶を耳にした。



「二人なんだけど」


背後から入店した坂巻さんの声がして、きゅっと胸の奥が狭まる。ほんのりと彼の体温を背中に感じて、緊張で胸が鳴り響いた。


「禁煙席と喫煙席がございますが、どちらになさいますか?」


店員の声に坂巻さんが一瞬黙る。
私は彼をちらっと見返し、喫煙席でも構いません…と言うつもりだったのに。


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