憧れの彼と、イイ仲になりたいんです!
ファイルが並んだ室内で、資料となるべきものを探しながら、なんとか坂巻さんと二人だけで話せる機会はないものか…と考えた。
昨夜のように自分が残業中に彼がいるとか、そういうことでもない限り、極めて日常では難しいことだけど。
(課長に褒められるなんて初めてなのに、これを一人の手柄とするのはどうも…)
自分だけで素直に喜びたくない心境と、だからと言って気軽にお礼も言えない憶病者の心理とが争う。
散々迷いながら思案してても、結局は臆病な自分が勝ってしまい、また今度でいいか…と諦めてデータ室を後にしようとした。
ノブに手を掛けようと伸ばしたら先にクルッと回った。誰かが入ってくるみたいだと思い、さっと脇に避けた。
「あ…」
ドアを開けて入ってくる人を見つめ、思わず声を発する。
その人は私に視線を流してきて、中へ入るとドアを閉めて向き直った。
「あの…」
声をかけようとしてハッとする。
今此処には二人だけよね!?と再度周りを確かめて、ごくっと唾を飲み込んだ。
「さ、坂巻さん!」
名前を呼ぶと、ふわっと彼が微笑む。
昨夜のように自分が残業中に彼がいるとか、そういうことでもない限り、極めて日常では難しいことだけど。
(課長に褒められるなんて初めてなのに、これを一人の手柄とするのはどうも…)
自分だけで素直に喜びたくない心境と、だからと言って気軽にお礼も言えない憶病者の心理とが争う。
散々迷いながら思案してても、結局は臆病な自分が勝ってしまい、また今度でいいか…と諦めてデータ室を後にしようとした。
ノブに手を掛けようと伸ばしたら先にクルッと回った。誰かが入ってくるみたいだと思い、さっと脇に避けた。
「あ…」
ドアを開けて入ってくる人を見つめ、思わず声を発する。
その人は私に視線を流してきて、中へ入るとドアを閉めて向き直った。
「あの…」
声をかけようとしてハッとする。
今此処には二人だけよね!?と再度周りを確かめて、ごくっと唾を飲み込んだ。
「さ、坂巻さん!」
名前を呼ぶと、ふわっと彼が微笑む。