腹黒上司が実は激甘だった件について。
結局ドライヤーの音を聞き付けて、坪内さんは勝手に洗面台に乱入してきた。私からドライヤーを奪うと、昨日と同じように髪を乾かしてくれる。
乾かした髪を手ぐしで整えてくれ、さながら頭を撫でられているみたいでドキドキした。
「は、早くお風呂入ってくださいよ。お湯が冷めてしまいます」
「はいはい、わかったよ」
私の小言に坪内さんは苦笑しながら、今度は本当に頭を撫でる。
私は赤くなる頬を隠すように、慌ててリビングへ戻った。
坪内さんの好意に甘えっぱなしでいるけど、今度の土日は家探しをしないと。早く新しい家を見つけないと前に進めない。家財道具をいつまでもあの焦げ臭い臭いの中に置いておきたくないし。こんな、あったかくて優しい場所にまどろんでいたら、ダメ人間になってしまうよ。
そんなことを考えているうちに、いつの間にか寝てしまったらしい。
「秋山?」
坪内さんの声がした気がしたけど、まぶたが重くて上がらない。
眠りの縁で、毛布を掛けられる感覚がある。
あったかくて気持ちよくて、覚醒しそうになる意識がまたすっと消えて行く瞬間、「早く俺のものになれよ」そんな呟きが耳をかすめていった。
乾かした髪を手ぐしで整えてくれ、さながら頭を撫でられているみたいでドキドキした。
「は、早くお風呂入ってくださいよ。お湯が冷めてしまいます」
「はいはい、わかったよ」
私の小言に坪内さんは苦笑しながら、今度は本当に頭を撫でる。
私は赤くなる頬を隠すように、慌ててリビングへ戻った。
坪内さんの好意に甘えっぱなしでいるけど、今度の土日は家探しをしないと。早く新しい家を見つけないと前に進めない。家財道具をいつまでもあの焦げ臭い臭いの中に置いておきたくないし。こんな、あったかくて優しい場所にまどろんでいたら、ダメ人間になってしまうよ。
そんなことを考えているうちに、いつの間にか寝てしまったらしい。
「秋山?」
坪内さんの声がした気がしたけど、まぶたが重くて上がらない。
眠りの縁で、毛布を掛けられる感覚がある。
あったかくて気持ちよくて、覚醒しそうになる意識がまたすっと消えて行く瞬間、「早く俺のものになれよ」そんな呟きが耳をかすめていった。