硝子の花片
「おはよう、瑞奈」

早朝で強ばっている表情筋を動かし、私は彼女に挨拶を返した。

私は人付き合いが苦手な方だが、瑞奈となら一緒にいても心地よく感じられた。

それは彼女が他の人とは違う趣味を持っていて、それを楽しく話してくれるからだろう。


彼女は歴史が大好きだ。
歴史上の人物の生き方から色々な事が学べることがいいのだと言う。

確かにそうだった。
彼女は綺麗に生きようとする。

自分の意見は貫こうとするし、周りのことを想っている。

そんな彼女はある歴史上の人物の子孫なのだという。
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