硝子の花片
沖田side

私が手紙を出して帰路についた時はすっかり日が落ちてきていた。

あたりを橙色が染めている。
と思ったらすぐに橙色は暗くなっていく。

私まで夏の闇に呑まれてしまいそうになった。

(私も闇で染めてくれればいいのに。)

ふとそんな事を思っていた。


私は何にも染まる事が出来ない。

だって、もう…







血の色に染まっているんだから。

< 38 / 105 >

この作品をシェア

pagetop