君が眠る時には
寝返りをするあおを愛おしいと思った。
私も寝ちゃおうかな。
あおが寝てるベッドに頭を預けて眠りについた。
この日までは、まだ良かったんだ。
あおは私に気があるって信じていられたから。
でも次の日からは変わった。
変わったっていうか、気づいちゃったんだ。
あおが特別な目で見てるのは私じゃない。
雪ちゃんだってことに。
私があおの病室に行ってもこちらに見向きもせず「おう」だけ。
あおは無愛想な部分もあるからそれでもいいと思ってた。
でも、雪ちゃんが来た時のあおの変わりようったら異常な程だった。
読んでた本を閉じて顔を上げて
「雪」
そう名前を呼んだ。