君が眠る時には

なんで雪ちゃんがここに?


あおのあとを付けてきたってこと?


そっか。


ちょうどいい。


飛んで火に入る夏の虫、だよ。


雪ちゃんに見せつけてやろう。


「ねぇあお」


「ん?」


「今日、売店いったらね、知らない人に話しかけられたの。めっちゃびっくりしたんだよ〜」


「美月は昔からいろんな人に話しかけられるからな。いいじゃんモテモテで」


そう言いながらあおはそわそわしている。


気が気じゃないみたい。


心ここに在らずって感じだし。


ちらちらと時計ばかり見ている。

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