君が眠る時には

謝るくらいなら好きだって言ってよ。


「俺たちはもう子供じゃないんだ」


その言葉に心臓が飛び跳ねた。


子どもじゃない…。


それは、『美月が好きな昔の俺じゃない』そう言われているようだった。


……確かにそうなのかもしれない。


私は恋に落ちた時の昔のあおしか見えてなくて、今のあおは見えてなかったんだ。


それが私と雪ちゃんの決定的な違い。


「雪が大好きだから」


あおの幸せそうな顔を見た瞬間に思った。


もう、ダメなのか…。


もうあおは取り戻せないみたい。


私が退院する前に想いを伝えてたら、今ごろどうなっていたかな。


付き合えてたかな?


遅すぎたのかもしれない…。
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