はちみつドロップス

そんな修護に見兼ねたのか、目の前で完全に立ち尽くしている彼の制服を掴み、



「椎菜と仲直りするの手伝うよ」



こう言って天がにっと笑ってみせたので、隣の仏頂面は心中穏やかじゃない。



「何言ってんだおまえはっ」



「そうだよ。椎菜に散々ひっかき回されて高原くんとの仲危うくなったの忘れたの?」



「まぁ、それに関しては皇楽にも責任あるしね」



必死に否定する親友と彼氏の隣で、わざと空気を読まない慶斗の発言に絵那が思い切り足を踏みつけた。



「でも、椎菜も寂しかったって言ってたし……それに」



それでも食い下がる天が、チラッと傍らに立ち尽くす修護を見上げた。



「なんだか城戸くん見てると放っとけないよ……」



「なっ……」



何故そこで頬を赤らめる!?



皇楽の眉間に久々に極太のシワが寄せられた。
それに構わず、


「ありがとうございます」



天の両手を握った修護は膝を付き、ふわっと小さく笑い返した。
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