暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】








「……お妃様。本当にこのような道を歩かれるのですか?」


「え、そうだけど……?」


町に向かう道と村へと続く森へ入り込む道でふた手に分かれている所の前で、


私は無理を言って馬車を止めてもらった。


「ここまで馬車を使えただけで私は随分と助かったわ。いつもは徒歩で半日はかかっていたから………。それに、流石にこの先は馬車では行けないわ」


人が横に2人並んで通れるぐらいの細道…………いや雑草などが伸び切ってもはや道には見えないそこを、馬車で通るなどもはや出来ない。


誰もがこの先に本当に村があるのか疑うほどの道なのだから。



「さぁ、日が沈む前に行きましょう。この先は迷いやすいから、私から逸れないようにね」


ここまで送ってくれた御者にお礼言った後、護衛のクレハを連れて森中の道なき道へ入っていった。



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