暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】


「お妃様…………どうか道中お気をつけて下さいませ。ご無理だけはなさらぬようお願い致します」


馬車に乗ろうとクレハからエスコートを受けている私へ向かって、サニーは不安そうに声をかけた。


サニーはもちろんの事、私に付いている使用人達は私の無茶をよく知っている。


子供を助けようとして体を張ったことも、傷を癒そうとして力を使い果たし倒れた事も…………………。


他にも色々とあるがそれらを含め、お見送りの為馬車の外で立っている使用人達は私の事が心配なのだろう。



「お妃様、今から馬車を走らせる為お話はそのぐらいにお願い致します」

「………そうですね。では、お願いします」


クレハは開いていたドアを閉めると御者のいる隣の席へと腰を下ろし、時刻はちょうど6時半。


私は護衛のクレハと共に、宮殿を後にした_____。




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