暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
 
それよりもまさか私が妊娠しているなんて思わなかった。

今日はたまたまそうであって、いつもは至って普通だったから。

………………陛下はどんな反応するのだろう?

喜ぶかな?それとも…………………嫌な顔をするのかな?

「お妃様、只今戻りました____………どうされたのですか?」

椅子に座り考え込む私に戻ってきたサニーは異変に気がついた。
 
「サニー……」

「先程、廊下をスキップしながら横を過ぎるダリアを注意したところですが……何か関係でもあるのでしょうか?」

…………ダリア。廊下をスキップしてサニーに怒られたのね。


それはさておき一応サニーにさっきあった事を話してみると、

「ご懐妊おめでとうございます。ダリアが廊下をスキップしていたのは、その事だったのですね。しかし………お妃様はなぜそのような表情をお浮かびになられるのですか?」

「え………?」

「無礼を承知の上で申し上げますが、私にはお妃様の表情が曇って見えるのでございます」

サニーにはどうやら私の表情が曇って見えたようだ………。

嬉しいのは嬉しいのだけど、陛下からどんな反応をされるのかが……正直少し怖い。

その思いが思わず顔に出てしまったよう。

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