暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
今日は珍しく執務室には居らず、どこに居るのだろうとサニーと廊下を歩いていると
「これはお妃様。ご機嫌はいかがでしょうか?」
前から歩いてくるファン宰相様が立ち止まり私へ向かってお辞儀をした。
「私は変わりないわ。ファン様はいかがです?」
「私の方も変わりありません」
私の言葉にそう言って優しく笑うファン様は、いつ会っても立ち振舞が紳士的だと感じる。
「ところでこの様な場所にお出でとは………もしや陛下をお探しで?」
「えぇ。執務室かと思ったのだけど、違ったようで………見かけていないかしら?」
「やはりそうなのですね。申し訳ありませんが陛下であれば会議室にて各騎士団長と会議をされておられます。もう時期終わられると思いますが…」
もう直ぐで終わるのであれば、近くで待っていようかしら。
「教えてくれてありがとう。陛下を待つことにするわ」
私は教えてくれてたファン様にそうお礼を言ってその場から離れようとすると、
ファン様から声をかけられ動かしていた足を止めた。
「宜しければ会議が終わるまでの間、私とお茶をしてくださいませんか?」
「宜しいのですか…?ファン様にもお仕事がおありの事だと思いますが……」
私を気遣いお茶に誘ってくれたのだと申し訳ない気持ちになったが、
「心配なさらなくとも問題ございません。陛下は只今会議中。もはや私に何かを言うような者などいないのですから」