暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
ジー………と観察するかのように上から下まで一通り見渡すと、
「何、アイツ強いの?」
少し不機嫌そうな表情をしつつもクレハの事が気になるのか未だにジッと見ている。
「もちろんよ!!だって、騎士様なんだもの!!」
「へぇ〜…………そう」
私の返事を聞くと何か企んだようにニヤリ………と悪い顔して笑うグラントを見て、
「…………戦いをふっかけるつもりではないでしょうね?」
まさかとは思うがそう思ってしまった。
もちろんグラントは負けるに決まっているし、そうなってしまえばクレハが結果的に喜ぶだけだ。
「お〜アニ姉流石!!よく分かってるじゃん(笑)これは自分の実力が宮殿の騎士相手にどんだけ通用するか試すチャンスだ」
「いや………だとしても流石にグラントは……………」
「『負ける』って言いたいんだろ?大丈夫だって。負けてもケガすることはねぇし。だって、木の棒だぜ?(笑)」
そう言って無邪気に笑うけども、姉の私としてはとても心配でならない。
相手は宮殿の第二騎士団団長なんだから実力だって桁違い…………。
そもそも実力と信頼がなきゃ、陛下は私の護衛にクレハをつけるはずがない。
「………………って、え!!??」
気づけば目の前にいたはずのグラントはクレハの元へ向かっており、
私の思いとは反対に止めようがなかった。