暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
そして_____。
____コンコンコンッ。
静かな廊下にドアをノックする音だけが響き渡る。
「……誰だ?」
威圧感のある低い陛下の声。
「アニーナでございます」
「入れ」
直ぐ様返事を頂くと私は「失礼致します」と言った後に軽くお辞儀をし中へと足を踏み入れた。
「どうしたのだ?我が妃よ」
そこに居たのは陛下だけで、私を見ると仕事をする手を止め視線を向けた。
「陛下。私…………」
仕事モードのピリピリした陛下に少し緊張しつつ、ゆっくりと口を開く。
妃の立場でいながら宮殿を離れ休暇を頂くなど、少しいけない気もするが……お父さんの事が気になるし、皆にも会いたい。
だから私………………………、
「実家に帰らせて頂きます!!」
…………………あれ?
これはちょっと違うか。
「今、何と…………?」
目を見開き驚く陛下。
こんな陛下は今まで見たことが無いし、こんな顔させたのも恐らく私だけだろう………。
…………じゃなくて!!!
「すいません、色々と話を飛ばし過ぎました……!実は実家の父の体調が少し宜しくないようで、お見舞いも兼ねてお休みを頂きたいのです」
恐らく何か誤解した陛下へ、私は急いで訂正の言葉を入れた。