たとえ、この恋が罪だとしても。




「真優、俺トイレ行ってくるわ。先行ってて」


「はいはい」


体育館へと向かっている途中で、光太郎がトイレに行ってしまった。



場所わかるのかな?



そう思いながらも、周りの流れに合わせて体育館へと向かう。



まだ、一度もお兄ちゃん見てないなー…



少し周りをキョロキョロしながら歩いていると、先生らしき白衣を着た男の人と目が合ってしまった。



やば…


なんとなくマズイと思い、目を逸らしてしまった。





「…真美(まみ)?」



…え?



明らかに、こちらに向かって言った名前。



何だろうと思い、逸らしていた目を合わせ立ち止まった。



「真美…」



そしてもう一度、発声られた名前。



えっと…私に向かって言ってるんだよね?


周りにいる新入生たちは、気にも止めずに体育館に向かって歩いている。



やっぱり私…?




でも、こんな先生?知らないし…

近所の人でもないし…




「えっと…私…真優ですけど…」



戸惑いながらも、そう答えた。





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