たとえ、この恋が罪だとしても。
教室に着くと、ほとんど知らない顔ぶれ。
皆より遅れて教室に入ってしまったため、友達作りに乗り遅れてしまったようだ。
ほとんどの生徒がグループを作り、楽しそうに会話をしている。
「あーあ、真優ぼっちじゃん」
背後に立っている光太郎がそう言った。
「そんなことないし…」
と、言いながらも心の中は少し焦っている。
「まぁ、俺がいるからいいか。席着こうぜ」
とんっと背中を押され、教室に一歩を踏み入れようとした時だった。
「真優」
「!」
この声ー…
勢いよく声がした方向に、振り向いた。
「えっ…もしかして…」
「きゃっ…まじで」
廊下を通り掛かる女の子たちが、チラチラと見ていく。
「…お兄ちゃん」
さっき入学式で、祝辞を読んだお兄ちゃんが立っていた。
いつもなら、跳び跳ねるぐらい嬉しいお兄ちゃんの登場。
けど、今はー…