強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

私は准一さんにしがみつくように首に両腕を回して抱きついた。

准一さんがいる…夢じゃない。

それだけが嬉しくて、再び涙を流した。


「マキ、かなり遅くなったけど…お誕生日おめでとう」

「そんなのいらないっ…准一さんが帰ってきてくれたからいいの」


優しく背中を撫でてくれる手に安心して身を預ける。


ジャケットから薫る、染み付いた雨の匂い。

濡れた髪の毛からはポタポタと落ちて私の頬に掛かる水滴。

そんなこと今はどうだってよかった。

帰ってきてくれた准一さんが、今何よりも私の誕生日プレゼントだから。


ゴーンゴーン…と12時を知らせる壁掛け時計の鐘。


クシュンッとくしゃみをした准一さん。

私は慌てて体を離し、洗面所からタオルを持ってきた。


「ごめんなさい、准一さん風邪引いちゃう。今お風呂入れるから」

「そんな急がなくても大丈夫だから」


笑っているけど実際、肌に張り付いたシャツやスーツが気持ち悪いに決まってる。
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