独占したい、甘々に。【完】
それから再び衣装に着替え教室に戻ると、ちーちゃんがニヤニヤとした面持ちで待っていた。





「日向くんに言ったの?」


「へ?何を?」


「さゆがコスプレしてること」


「そ、そんなの言うわけないじゃんっ」





そう言うと、ちーちゃんは目をパチパチとさせた。





「なんで言わなかったの!?」


「だって見られるの恥ずかしいもん…悠乃には来なくていいって言ったし」





するとちーちゃんは何故か大きなため息をついたのだった。





「さゆはもっと自分の可愛さを自覚するべきだと思う」


「え?」





聞き返そうとしたが、お客さんがやってきたため話は中断してしまった。





可愛さを自覚って…そもそも可愛くないのに。


私のことそんな風に言ってくれるのはちーちゃんだけだよ。





なんて少し卑屈なことを考えていたが、それも忙しさのあまりどこへやら。





すっかり忘れて後半戦も接客に励んでいた。
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