独占したい、甘々に。【完】
そう言う悠乃の視線は私の隣にいる那津くんへと向けられていた。





あっ、そっか。


悠乃は那津くんのこと知らないんだよね。





紹介をしようとすると、那津くんはベンチから立ち上がった。





「初めまして、俺は杉浦那津。えっと彼は紗雪ちゃんの彼氏?」





那津くんは少し遠慮がちにそう聞いてきた。





「へっ!?ち、ちちち違うよ那津くん!」





私は那津くんの言葉を全否定するように、首を横に振りまくる。





何故か悠乃はそんな私をムスッとした表情で見ていたが、私はそれに気がつかないまま、紹介を続けた。





「えっと、彼は日向悠乃で、私の幼馴染なの」


「あっそうなんだ!てっきり彼氏かと思っちゃった」





そう言って那津くんはケラケラと笑った。
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