独占したい、甘々に。【完】
せっかく那津くんが話しかけてくれてるのに、その態度はよくないと思うんだけどっ





私はそっぽを向く悠乃の目の前に立ち、その顔を見上げた。





私と視線が交わると、悠乃は気まずそうに視線を逸らしたのだった。





「別に?いつもと変わらないよ」





…絶対嘘だ。


明らか悠乃が嘘をついていることは明白。


でも何で悠乃がこんな態度を取るのかはさっぱり分からなかった。





頭を悩ませていると、気がつけば辺りは暗くなり始めていた。





「そろそろ帰らないといけないね、紗雪ちゃん家まで送るよ」





どこまで那津くんは優しいのだろうと、しみじみと思っていると、突然悠乃が口を開いた。





「いい。紗雪は俺が送ってくから」


「…分かったよ。じゃあ、また明日ね紗雪ちゃんっそれと日向くんも」





那津くんは手を振りながら、公園を後にしたのだった。
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