独占したい、甘々に。【完】

「那津くんと同じ高校に進学してるなんて知らなくて、今日たまたま知ったの」


「何で気づいたの？」


「あ…文化祭で私のことを偶然見かけたらしくて…」





嬉しいような嬉しくないような…





悠乃は「ふーん」と淡々とした様子で言う。





やっぱり今日の悠乃おかしいよ。





さっきから私のこと見ようともしないし…


なんだろう、ちょっと寂しいな。





何故か私の胸はチクりと痛んだ。





悠乃に素っ気ない態度をされると悲しくなる。





そうこうしていると、私の家の前までやってきた。





「じゃ」


「あっ悠乃！送ってくれてありがとう！おやすみなさい」





そう告げると悠乃はこちらに振り返ることなく手を振った。





私はそんな悠乃の後ろ姿をどこか心配しながら見送ったのであった。