独占したい、甘々に。【完】
「悠乃…?」





上目遣いで見上げる私に悠乃は、チラッと一度視線を向けると、大きなため息をついたのだった。





「あのさ紗雪」


「ん?」


「もう少し自覚してくれないと俺がもたないんだけど」





そう言うと悠乃はそっぽを向いてしまった。





「自覚?なんのこと?」


「…ほんとつくづく心配になるよ」


「へ?」





聞き返すと悠乃はくるりとこちらへ振り返り私を見下ろした。





そして顔を急激に近づけてきたかと思うと、寸前でストップさせた。





ギュッと目を瞑っていた私は、ゆっくりと開きその近さに目をパチパチとさせる。





悠乃はフッと小さく笑うと言った。





「悪いオオカミに食べられちゃいそうだもん」
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