独占したい、甘々に。【完】
「お迎えありがとっ」


「ん。帰るか」


「そうだね」





カバンを手にすると、私と悠乃は一緒に学校を出た。





そして2人で並びながら、家へと向かって歩いていた。





「初日の学校はどうだった?」


「まだ慣れないけど、クラスの人たちはみんないい人だったよ」


「そっか!それならよかった」





まだ分からないこともあるだろうし、私が手助けしてあげないとね!





「それにしても、すごい人気だったね」


「そうか?」


「うん!女の子たちがすっごく騒いでたよ」





これだけカッコいいから騒ぐのも無理ないけど。


まさかあんなに人気になるなんて思ってもみなかった。





はしゃぐ私とは対照的に、悠乃は反応が薄く、あまり興味がない様子だった。






どうしたんだろう?

あんまり嬉しくないのかな?





疑問の目を向けていると、悠乃が思い出したかのように口を開いた。





「そういえばっ、もうすぐ文化祭らしいじゃん」


「うんっ秋の恒例行事なんだよ」


「前の高校さ、文化祭とかやってなかったらすっげー楽しみなんだよね」





そういう悠乃の目は子供のようにキラキラと輝いていた。
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