独占したい、甘々に。【完】
突然頭を触られビクッと肩を揺らすが、私はやれやれとため息を零した。





「悠乃、まだ寝ぼけてる?私のこと子供扱いしてるでしょっ」





そう頬を膨らませる私に、悠乃は小さく笑う。





「流石にもう起きたよ」





そう言う悠乃に疑いの眼差しを向けていると、続けて口を開いた。





「…そっか、子供じゃネクタイ直せないもんね?じゃあ、紗雪は俺の新妻かな」


「へっ!?に、新妻って」





悠乃の言葉に何故か顔が赤くなってしまう。





急にびっくりすること言うのやめてほしい…


悠乃は私のことからかって楽しんでいるみたいだけど。





「ほらっ行くよ?」





未だ笑っている悠乃を尻目に、私は独りで歩き始めた。





「待ってよ紗雪」





悠乃は駆け足で私の隣へ来ると、くだらないことを話しながら、一緒に学校へと歩いたのだった。
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