*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
「お、おいひいっ!!」
中華スープの中の肉団子を一口で頬張りながら、感嘆の声を上げる。
「良かった。おかわりもあるよ。」
「うん!食べる!!」
前のめりになって勢いよく返事をした私を、修平さんが微笑ましそうに眺めている。
一昨日から毎日、修平さんが食事を準備してくれている。
彼の作った料理を初めて食べた時、私はここに居候出来たのは、ひとえに彼が足を怪我した故だ、と言うことがよく分かった。
この家には週二回、プロの家事代行者がやってきて、掃除や食事の作り置きをしていってくれるけれど、だからと言って、修平さんが何も出来ないというわけではない。
現にこうして、作った料理は男性の一人暮らしのレベルを超えているし、ハウスキーパーの佐倉さんが来ないこの連休中でも、家の中が散らかっていることなんてない。
私はと言うと、この大型連休が始まってからというもの、仕事が毎日残業続きで、家事どころかアンジュの散歩にすら行けていない状態だった。
「ごめんね、修平さん…」
「ん?何で謝るの?」
「だって、私この数日間、食事も家事も修平さんに甘えっぱなしだもん…」
それだけではなくて、連休中は毎日修平さんが図書館まで車で送迎してくれている。
本当に至れり尽くせりで、『有り難い』を通り越して、返って申し訳ない気持ちの方が大きくなってくる。
「そんなの気にしなくて良いって前も言ったでしょ?杏奈は仕事が忙しいけど、俺は休みだから。出来る方が出来る時に出来ることをやる、それでいいんじゃない?」
平然とそう言ってのける彼に、私は少し困惑してしまう。
「なんだか納得いかなそうだね、杏奈。」
「そ、そういうわけではないんだけど…でも、」
「でも?」
うまく自分の気持ちを言い表せなくて、口ごもる。
そんな私を見かねたように、修平さんはテーブルの向かいから少し伸びあがって私の頭をポンポンと軽く叩いた。
「もし何か気になることがあったら、ちゃんと言って。杏奈。」
「う、うん。」
目線を上げると彼と目が合う。
愛しいものを見るように微笑まれて、私は慌てて手元の更に視線を落とした。