*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
千紗子さんの体の柔らかさや花のような香りに包み込まれる。
「ありがとう。杏ちゃん。」
頭の上から振って来た彼女の声は小さいけれど、ハッキリと聞こえた。
「全然気付かなかった……。あの時、杏ちゃんが私のことを心配してくれてるのは分かってたし、いつも元気なあなたを見ているだけで私も元気が出たのよ。でもまさか、気付かれていたなんて……」
千紗子さんが声を詰まらせるのが、触れ合った場所から伝わってくる。
目の前にある胸元が大きく膨らんで、彼女が息を吸い込んでいるのが分かった。
「杏ちゃんがいてくれて本当に良かった……本当に、ありがとう。」
千紗子さんの語尾が震えて、私の目からも止まっていた涙がまた溢れそうになる。
そして千紗子さんはグスッと一度鼻を啜ると、私の体をそっと離した。
「今度は大丈夫そうなの。だから心配しないで?これからも仕事でもプライベートでも仲良くしてね。」
うっすらと涙で光る瞳を、柔らかく細め微笑んだ千紗子さんに、私は元気よく「はいっ!」と返事をして、「こちらこをよろしくお願いします。」と頭を下げたのだった。