*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 「Jeg har set!」

 目を向けると、カヤさんが足早にこちらに向かってくる。彼女の後ろからは同じくらいの年代の外国人男性と日本人男性が着いてきた。

 「妻は『私は見たわ』と言っている。」

 その外国人男性は流暢な日本語でそう言った。
 その男性がカヤさんの旦那様のラースさんなのだとすぐに気付く。

 その後もカヤさんがデンマーク語で何かを言っているが、早口なので私には聞き取れない。

 「アンナさんが転んだのは、その女性が押したからだと。妻はそれを遠くから見ていたらしい。」

 思ってもみなかったことに驚いて、とっさに村上さんを見る。

 「そ、そんな、言いがかりですっ!」

 青い顔をした村上さんは必死の形相をカヤさんとラースさんに向ける。

 「遠くからじゃ、見間違えたんですっ!ちょっと親切にしてもらったからって、その子を助けるために私を悪者にするなんてっ……」

 食ってかかった村上さんを私はただ黙って見つめることしか出来ない。

 すると私達の間に、新たな人物が割って入った。

 「俺も見てたぞ。」

 声がした方に目を向けると、そこには健太郎さんが立っていた。

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