*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
「文句があるかはとりあえず後にして。」
いたずらっ子みたいな笑みを浮かべてそう言った社長さんは、その笑みを一瞬で収め
「杏奈さん、と言ったかな?」
「は、はい…。」
急に声を掛けれてびっくりしつつも返事をすると、社長さんは私に向かって頭を下げた。
「そこにいるうちの社員がご迷惑を掛けたみたいで申し訳ありません。」
「い、いえ、そんな……」
社長自ら頭を下げられた私は驚きすぎて言葉を失ってしまう。
「しかもここにいる私の友人の奥さんを助けてくれたと聞きました。本当にありがとう。」
社長が手のひらを向けた先にはカヤさんご夫妻がいる。
「あの、私は自分が出来ることをしただけです。特別なことは何も……。そんなことよりも、大失敗して他の方にも修平さんにもご迷惑を掛けてしまいまって、本当に何てお詫びしていいのか……」
「杏奈、そんなこと気にしなくて良いんだ。故意ではないし、杏奈はちゃんと自分で相手に謝っただろ?」
「でも……」
「いや、実は私も見ていたんだよ、一部始終をね。」
社長の台詞に私も修平さんも目を見開いた。
「自分のしたことはきちんと謝らなければな。そうだろ、村上さん。」
そう言うと社長さんは村上さんをじっと見つめた。