*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
「見て杏奈、星がきれいだ。」
その声に顔を上げると、露天風呂の上に張り出ている屋根の向こうに、夜空が広がっている。
「うわ〜〜すごい!!」
「だろ?」
「ほんとだね、修平さん。」
思いっきり笑顔で頷いて夜空から視線を戻すと、思わぬほど間近に修平さんの顔があった。
夜空の星を移したようなきらめく瞳に、私の顔が映っている。
美しい瞳に吸い込まれそうになり、息を呑んだその瞬間
柔らかな温もりが私の唇に重なった。
甘い、甘い、口づけ。
ほんの少し香る日本酒の香りに酩酊する。
しっとりと重ね合わされた唇は、柔らかく優しい。けれど彼の劣情は間違いなくそこから滲み出していた。
ひとしきり私の唇を味わった後、やわやわと下唇を喰み、口づけの合間に囁くように言う。
「‟修平さん”じゃない、だろ?」
欲を孕み色に満ちた声色に、腰の辺りがゾクッと痺れる。
何度もリップ音を立てながら唇を重ね続ける彼に、私は段々と陥落していく。
露天風呂に一緒に入るのをあんなに抵抗したのが嘘のように、私は素肌を彼の腕に預けていた。
お湯の中で緩く抱き寄せられた体が、燃えるように熱い。
―――温泉の効能か忙しなく動く心臓のせいなのか。
「んはっ、…しゅう、ちゃん…」
吐息と共に呟いた言葉に、彼の口の端が上がるのを感じた。
くすぐるような舌の動き。
吐息で開いた唇からぬるりと湿ったものが差し込まれ、条件反射のように体が固くなる。
けれど『大丈夫だよ』とでも言いたげな彼の舌は、私の上顎を羽のように優しくなぞり、くすぐったいような甘いしびれが走る。
そのまま修ちゃんの甘く巧みな口づけは、ゆるゆると私の身も心も溶かしていった。